横浜が舞台の小説 三島由紀夫『午後の曳航』 日本文学の名作の書評・感想! あらすじは? 映画化! ※ネタバレなし

書評(感想)
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こんにちは。

今回は日本文学を代表する作家、三島由紀夫さんの長編小説

『午後の曳航』についてご紹介します。

三島由紀夫さんというと市ヶ谷駐屯地での割腹事件が有名なので印象だけで毛嫌いしてる人が結構いらっしゃる印象です。

(あの事件はインパクト強いですからね。私も恥ずかしながら10代の頃は三島作品を読んだことがありませんでした)

しかし、それは本当にもったいない!

抜群のセンスで紡ぎ出される言葉の数々

どうやって思いつくんだ?というような比喩表現

とても綺麗な文章を書く作家さんです。

次はどんな人にオススメできるかまとめました。

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こんなに人にオススメ

  • 文学小説が好き
  • 三島由紀夫さんの作品が気になる(または他の作品が合わなかった)
  • 横浜が舞台の小説が読みたい
  • 普通の恋愛小説じゃ物足りない
  • 思春期の少年の心理変化に興味がある
  • オペラや映画で興味を持った

正直、三島由紀夫さんの作品はかなり好き嫌いが分かれます。

三島由紀夫といえば日本文学を代表する作家だというのは誰もが認めるでしょう。

それでもハマる人にはハマりますけど丹念に情景描写をされてることが多いので冗長に感じてしまったり、まわりくどい表現で途中で読むのを諦めてしまうなんてことも。

こちらの『午後の曳航』は長編ですがページ数も少なく比較的、読みやすいので他の三島由紀夫作品でつまづいてしまった方にもオススメできます。

(名作といわれる『金閣寺』より個人的にはかなり読みやすかったです)

また、横浜の山手が舞台になってるので浜っ子は土地勘も相まって楽しめると思います。

オペラや映画作品にもなってるようなのでそちらから入った方もきっと楽しめるでしょう!

では、本の概要にいってみましょう。

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『午後の曳航』本の概要

十三歳の登は自室の抽斗奥に小さな穴を発見した。

穴から覗く隣室の母の姿は艶めかしい。

晩夏には、母が航海士の竜二とまぐわう姿を目撃する。

竜二の、死すら厭わぬ船乗り精神と屈強な肉体に憧れる登にとって、彼が海を捨て母を選び、登の父となる生ぬるい未来は屈辱だった。

彼を英雄に戻すため、登は仲間と悪魔的計画を立てる。

大人社会の綻びを突く衝撃の長編。

横浜港で船員らに取材し一気に書き上げた。

38歳の三島が子供世代の目で描く大人の虚妄。

「BOOK」データベースより

この本は1963年9月10日に書き下ろしとして講談社から刊行されました。

予定されていたタイトルは『海の英雄』です。

1965年には『he Sailor Who Fell from Grace with the Sea』という英題で翻訳されたのをはじめに世界各国で翻訳されているそうです。

ページ数は230ページほどなのでわりと時間をかけずに読めるページ数です。

1976年には日米英の合作で映画化されています。

登場人物は外国人になってますが原作に忠実に作られておるようでAmazonでの評価も高いです。

少年の母へ対する思いが、十分に描写されている。

さらに、海の風景が心に迫る。

監督の詩的才能が最大に表白されていて、心に迫って来る。

これほどの詩的シーンをものした監督はいない。

Amazonレビューより引用

映画版はこのレビューのように非常に高評価なので気になった方は是非、観賞してみてください。

値段も手に取りやすい価格となっております。

また、ドイツの作曲家によってオペラ化されており日本でも何度か講演されています。

CD化されているのでこちらも興味がある方は手に取ってみてください。

(歌詞はドイツ語らしいので聴きなれない方には敷居が高いかもしれません)

お次は著者の三島由紀夫さんについて紹介していきます!

有名な方なので知ってるよって方は飛ばしてください。

著者紹介

ご存知の方も多いかと思われますが三島由紀夫さんは戦後の日本文学を代表する存在でありノーベル文学賞の候補になるなど世界でも認められてる作家です。

『Esuquire』誌の世界の100人に日本人として初めて選ばれ国際放送のテレビで初めて出演した日本人。

三島由紀夫はペンネームで本名は平岡 公威(ひらおか きみたけ)

長くなるので詳細は割愛させていただきますが小説家・文芸評論家の川端康成と深いつながりがあります。

また、お酒の席であの太宰治と会う機会がありました。

その際に放った言葉が

「僕は太宰さんの文学はきらいなんです」

と衝撃的な発言をしたことがあるようです(笑)

出会いはその一度きり…天才同士、思うところがあったんでしょうかね〜。

代表作は数多くあります。

近代日本文学の名作「金閣寺」は国際的評価も高く映画や舞台化も。

ギリシャの作品に影響を受けた名作「潮騒」は一般的に人気の作品で何度も映画化されてます。

同性愛をテーマに扱った初の書き下ろし長編の自伝的小説「仮面の告白」も有名ですね。

また、全4幕からなる戯曲の「鹿鳴館」も人気で繰り返し上演されています。

今回、ご紹介してる『午後の曳航』も人気の高い作品です。

ユーモラスな逆説的道徳のすすめの「不道徳教育講座」やラストどんでん返しがあるエンタメ小説「命売ります」など、ひと味変わった作品もいくつか書かれてます。

たくさん刊行されてる作品の中で必ずきっとあなたにハマる作品があると思うのでチェックしてみて下さい。

私は大人になってから三島由紀夫さんの作品を読みました。

10代の頃に読んでおけば良かったと後悔してます。

今になってハマっていろいろと読みあさっているところなので落ち着いたらまた記事にしたいと思います。

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『午後の曳航』の感想

さまざまな人物の視点で読める

この小説は登(のぼる)少年、母の房子、船乗りの竜二の三者の視点で変わりながら物語が進んでいくようになっております。

このつくりのためか最後まで飽きずに読めます。

むしろ続きが気になって仕方がないですね。

また、視点が変わりながら進むので読むひとの年齢や性別により受け取る印象が変わるんじゃないかと思いました。

巻末で解説を担当してる久間十義さんも20代、40代、60代と三度読み直したそうです。

その都度、抱く感想はずいぶん違うとおっしゃってました。

(久間さんは自分の受け取り方、とりまく世の中が変わったためと解説してます)

普通、コロコロ視点が変わるとわかりずらくなりそうですが文章の構成がとても上手いので視点が変化しても違和感を感じることがありません。

情景描写が丁寧なので3人の心情に入っていけるので感情移入してしまいました。

他の作家の作品でもありそうな話に感じますが結末や展開などを含め他を寄せ付けない圧倒的な文章力なので名作と呼ばれてるのでしょう!

巻末の解説で田中美代子さんが触れてますが大衆的な作品に見せてるのはおそらく流行り物に対する皮肉なのだと。

あまりにも読みやすかったので私もそのように感じました。

少年犯罪の心理描写

登 (のぼる)少年が属してる6人グループはみんな小柄でひ弱な少年たちで学校でもよくでき優秀。

しかしリーダー格の【首領】と呼ばれる少年は頭が良く残酷です。

この6人の少年グループ(主に首領)たちの会話や心理状態がいわゆる少年犯罪を犯す子どもの心理を捉えてると感じました。

明るいけど不穏、何ともいえない表現で描かれており不気味です。

三島由紀夫さんが描く少年グループの印象に私は次のように感じました。

不良などとは程遠い少年少女が犯す犯罪、現代でもありうるそういった犯罪に通じると。

子供ってアリを平気で踏んだりしませんか?

無邪気さの裏に潜む狂気、おそらくそういったところを伝えたかったのかと個人的には思いました。

作中の少年たちは自分たちのことを天才だと思っている。

首領はさらに世界は空っぽだとみんなに伝えます。

学校、教師、社会、父親、それらの塵芥溜め(ゴミ)を許してるのは僕たちだといいます。

思春期に感じる世間や家族に対しての何ともいえない鬱屈した気持ちを過激に表現した文章で綴られてます。

これが何ともリアリティーがあり下手なホラーものよりよっぽど怖いです。

人間が一番怖いってよく言いますよね?

美しい世界観

非常に美しい情景描写で綴られているので読みながら横浜の山手町や元町、港の情景が浮かんでくるようです。

小説の世界に浸りたい人には三島由紀夫さんは本当におすすめです!

その分、儚さ切なさ苦しみなどあらゆる感情が自分のなかに入ってくるので注意が必要です。

海にいるときの竜二と陸にいるときの竜二、その両端の彼に抱く登(のぼる)少年の感情の変化なども若干、分からないところもありますが純粋な子どもの視点で描かれてる気がします。

(大人になってしまった私には本当のところは分からないですが…)

竜二の心境の変化や生活も精緻に書かれてるので大人は少年より竜二の方の気持ちで読み進めてしまうかもしれません。

200ページほどなので体感的にはかなり読みやすいです。

しかし、そんな短さを感じさせないのは三島由紀夫さんの比喩表現や心理描写によるところが大きいです。

まとめ

以上が三島由紀夫さんの著書『午後の曳航』についての感想・紹介でした。

いかがでしたでしょうか?

ページ数も少ないですし読みやすい文章になっています。

有名な「金閣寺」などで挫折した方も読んでみてください!

この小説も好みはあるかと思いますが日本文学好きなら一度は読むべきです!

おすすめにも挙げたようにさまざまな視点で物語が進みますので老若男女、関係なくオススメの小説になっています。

余談ですが同世代の作家の司馬遼太郎が真の傑作とおっしゃってたそうです。

記事を書く際に調べてたら映画が気になったのでそのうち鑑賞してみたいと思いました。

この記事を読んで少しでも気になった方は是非、『午後の曳航』手にとってみてください。

必ず後悔はしませんから。

では、また。

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