こんにちは。
今回の記事では前回に引き続き三島由紀夫さんの長編小説
『金閣寺』
こちらを紹介していきたいと思います。
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この『金閣寺』は三島由紀夫さんの最高傑作と評され作者自身、最も成功した作品となっており海外での評価も高いです。
未読の人が気になるのが自分には難しいのではないか?ということ。
これは人によります。
少なくとも私には難しく感じました。
物語の構成は分かりやすいのですが三島由紀夫さんの語彙力はとてつもないレベルなので分からない言葉は辞書を引きながら読みました。
しかし先が気になる展開や読後感は非常に素晴らしいです!
本が好きなら1回は挑戦してみて欲しいと思い、この記事を書きました。
次は『金閣寺』はどんな人におすすめなのかまとめました。

こんな人におすすめ
- 文学小説が好き
- 三島由紀夫さんの作品が気になってる
- 実話を元にした作品が好きだ
- 語彙力を高めたい
- 名作小説を探してる(読んでみたい)
- 美しい日本語に触れたい
- 金閣寺に惹かれる
他の作者にも言えることですけど三島由紀夫さんの作品は好き嫌いが分かれます。
今回、ご紹介している『金閣寺』もネットでは
読みづらい、難しいなどの書き込みを見かけることがあります。
普段、読書に慣れ親しんでないと分かりづらい言葉や文章が出てくるので難しく感じるかもしれませんがゆっくりと自分のペースで読めばどなたでも読めると思います。
(辞書を引きながら読めばあなたの語彙力は格段に高まるでしょう)
もし、それでも読みづらければ最初に他の作品に触れてからでも良いかもしれません。
こちらは読みやすいです
↓↓↓↓↓
日本人なら誰でも知ってるであろう金閣寺を題材にした小説となっており惹かれる文章などが必ずあるはずです。
近代日本文学の傑作といわれている『金閣寺』、これからこの本の概要をご説明します。
『金閣寺』本の概要
「美は…美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。
吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。
ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか?
現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。
血と炎のイメージで描く“現象の否定とイデアの肯定”―三島文学を貫く最大の原理がここにある。
金閣を焼かなければならぬ。
破滅に至る青年の「告白」。
最も読まれている三島作品。
国際的評価も高い。
映画・舞台化多数。
「BOOK」データベースより
『金閣寺』は1956年に文芸雑誌の「新潮」で1月号から10月号まで連載。
後に単行本化され15万部のベストセラーになりました。
読売新聞のアンケートでベストワンに選ばれ読売文学賞(小説部門)を受賞と当時から高い評価を受けていたようです。
(Wikipediaによると2020年11月時点で累計売上361万8千部を記録しているロングセラー小説となってます)
1956年には翻訳版が『The Temple of the Golden Pavilion』のタイトルで刊行されたのをはじめに世界各国で刊行されています。
1964年度、第4回国際文学賞で第2位を受賞し世界的にも大変評価の高い作品です。
ページ数は400ページほどなのでちょうどいい長さだと思います。
- 新派
- 映画化
- オペラ
- 舞踊
- 舞台劇
- ラジオドラマ化
上記のように幅広い分野で上演されておるのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
映画や舞台のDVDはAmazonなどでも取り扱ってます。
映画『炎上』の内容
内容紹介
三島由紀夫の傑作「金閣寺」を、名匠・市川崑が映画化。
キネマ旬報ベストテン、ブルーリボン賞で主演男優賞に輝く、雷蔵現代劇の最高峰!誰も知らない!
誰も解ってくれない!
何故おれが国宝に火をつけたかを……
●市川雷蔵、初の現代劇出演作は、名匠・市川崑監督、撮影・宮川一夫との最強コンビで挑んだ意欲作。
国宝に火を放つ吃音の青年という難役をみごとに演じ抜き、キネマ旬報ベストテン、ブルーリボン賞で主演男優賞に輝くなど、絶賛を浴びた。
●金粉をまぶした驟閣寺炎上の鮮やかな炎の撮影など、モノクロ映像美の極致というべき宮川一夫の撮影はじめ、西岡善信の美術、黛敏郎の音楽など豪華スタッフが結集。
●仲代達矢、中村鴈治郎、中村玉緒、新珠三千代ら共演陣も火花散らす名演を見せる。
実際に起こった国宝放火事件を元にした三島由紀夫の小説「金閣寺」を市川崑が映画化。
モノクロ映像美が話題となった文芸大作。
“日本映画DVD ¥2,940(税込)コレクション 大映70周年記念キャンペーン 名作シリーズ廉価版DVD 第四弾 ”。
Amazonより引用
もうひとつ別の映画もありますので紹介します。
映画『金閣寺』の内容
内容紹介
1950年の金閣寺放火事件を題材とした三島由紀夫の名作「金閣寺」の映画化! !
有為子よ死ね!金閣よ燃えろ!
滅びの美学と官能に彩られた三島文学の金字塔-。「金閣寺と心中するつもりだった」と後に述べた学生による放火事件を題材にとった小説「金閣寺」は、三島由紀夫の自伝をふくめた力作である、という見方もされている。
ある意味、三島の衝撃的な最期を予告していた、とさえ言われている。
そして、高林陽一監督は、製作後記でこう述べている。
――『餓鬼草紙』 『悲歌』と、余生を送るに相応の遺書めいた作品を作りながら、私は知らず知らず「金閣寺」を目ざしていたのだろうか。だとすればそれは、まさに三島由紀夫氏の、あの《死》を見た瞬間から始まった潜在的思考であったに違いない。
Amazonより引用
こちらは大量の金箔を用いたラストの炎上シーンが圧巻の作品となってるようです。
どちらの作品もAmazonで高評価なので気になった方は手にとってご覧ください。
私もまだ見たことないのでこれを機会に見てみたいと思いました。
舞台『金閣寺』の内容
内容紹介
三島由紀夫による日本文学の金字塔「金閣寺」を原作に、V6の森田剛が主演、宮本亜門が演出を手掛けた舞台をDVD化。生まれつきの吃音ゆえに、世間からの強い疎外感を抱くひとりの男の苦悩を描く。共演は高岡蒼甫、大東俊介、中越典子ほか。
約3時間に及ぶ舞台を余す事なく収録!
Amazonより引用
こちらもAmazonでは非常に高評価ですね!
有名な演出家の宮本亜門さんが演出を手掛けていますし俳優も豪華ですね。
著者紹介
ご存知の方も多いかと思われますが三島由紀夫さんは戦後の日本文学を代表する存在でありノーベル文学賞の候補になるなど世界でも認められてる作家です。
『Esuquire』誌の世界の100人に日本人として初めて選ばれ国際放送のテレビで初めて出演した日本人。
本名は平岡 公威(ひらおか きみたけ)
三島由紀夫という名はペンネームだったんですね!
また、長くなるので詳細は割愛させていただきますが小説家・文芸評論家の川端康成と深いつながりがあります。
あの太宰治とお酒の席で会う機会がありました。
その際に放った言葉が強烈で
「僕は太宰さんの文学はきらいなんです」
と衝撃的な発言をしたことがあるようです(笑)
気まずくなり三島さんはその場を去ったらしく出会いはその一度きり…
お互い天才同士、いろいろと思うところがあったんでしょうかね〜。
代表作はじつに数多くあります。
まず外せないのは近代日本文学の名作として今回ご紹介している「金閣寺」。
ギリシャの作品に影響を受けた名作「潮騒」は一般的に人気の作品で何度も映画化されてます。
同性愛をテーマに扱った初の書き下ろし長編の自伝的小説「仮面の告白」も有名ですね。
また、全4幕からなる戯曲の「鹿鳴館」も人気で繰り返し上演されています。
横浜が舞台で少年犯罪の心理描写が巧みに描かれた「午後の曳航」も名作です。
ユーモラスな逆説的道徳のすすめの「不道徳教育講座」やラストどんでん返しがあるエンタメ小説「命売ります」など、ひと味変わった作品もいくつか書かれてます。
たくさん刊行されてる作品の中で必ずきっとあなたにハマる作品があると思うのでチェックしてみて下さい。
私は大人になってから三島由紀夫さんの作品を読みました。
10代の頃に読んでおけば良かったと後悔してます。
今になってハマっていろいろと読みあさっているところなので落ち着いたらまた記事にしたいと思います。
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『金閣寺』の感想

美しすぎる日本語の数々
おそらく初見でこの『金閣寺』に出てくる全ての日本語をわかる人はあまりいないでしょう。
読書習慣がない人なら本を投げたくなってしまうかも?
それほど濃密で美しい日本語が頻出する文章の物語になっています。
よくもこれだけ難しい言葉&適切な使い方を知ってるなと毎度、感心させられます。
これだけの語彙力を持ってる作家は後にも先にも三島由紀夫さんだけだと思ってしまいますね。
主人公である溝口の心の苦悩、心情の変化や情景描写、とくに金閣寺に対しての溝口の感情の吐露を表した文章たちは「どうやったらこんな表現が出てくるんだ?」と唸らざるをえません。
(他の作品にもいえますが例え方が常人では考えつかない例えが多いです)
凝りに凝った美しい文体の数々はまさに芸術の域に達してるといえるでしょう!
おそらく日本人が文字だけで表せることの限界まで挑み、そして達した究極の美こそ
『金閣寺』なのです。
言葉にするとうまく言い表せないのが歯痒いところです。
これは実際に見ていただかないと分かりづらいかもしれませんね。
ただ、それゆえにひとつひとつの表現が周りくどく感じて受け付けない人が多いのかもしれません。
レビューなどを見てると理解できない、難しいといっている方がある一定数います。
作家として非常に脂の乗ってる時期の作者・三島由紀夫さんがこれでもかといわんばかりに持ってる技術を結集した文章。
それはまるで私たち読み手側の力量を試されてるように感じました。
(はじめの方でつまづく方が多いようですが進んでいくと一気に面白くなるので読み切ることを推奨します)

「金閣を燃やさなければならぬ」
本の紹介にもよく出てきますが作中に出てくる主人公・溝口のセリフです。
とてもパンチの効いたフレーズとして頭から離れません。
主人公の溝口が何故に金閣寺に惹かれ、己のコンプレックスゆえ心を閉ざしたり、友達との出会いや変化、それらを経て、なおこの考えに至ったのか…
思春期の時期の何に対してか分からないのに鬱屈としたやり場のない気持ちのようなものを精緻な文章で表現しています。
三島由紀夫さんの文章、構成がすごいので自然と主人公・溝口に自分自身を投影してしまうことでしょう。
病んでる時はあまり読まない方がいいかも…。
話のところどころに生き方を変えられそうなきっかけがあるのですが
(例えば友達との出会いなど)
「なんでそこで、そうするのかな〜」
といった感じで見ててヤキモキする場面が数多くあります。
おそらくそれらもすべて最後の展開に向けて計算されて書かれてるのでしょう。
非常に印象的なラストに導くためにそれまでの主人公・溝口の苦悩は必要だったのだということがわかります。
ラストシーンはいろいろなところでネタバレしてしまってるのでご存知の方も多いかもしれませんが最初から読んだ上でのラストシーンは深く考えさせられる内容となってます。
繰り返し自問自答を繰り返し辿り着いた結末は是非、あなたの目で確認することを強くオススメします。
現実と想像の金閣寺
主人公・溝口も現実の金閣寺と想像してる金閣寺この違いで終始、葛藤します。
自分のイメージしてる金閣寺と実際に目にした金閣寺…
そのギャップに耐えられないのです。
物語の最初の方に
「私が人生で最初にぶつかった難問は、美ということだったと言っても過言ではない」
こう独白してる文章があります。
実物の金閣寺を見る前までは小さな夏の花や美しいひとの顔を「金閣のように美しい」と形容していた主人公・溝口はとてつもない期待を胸に抱きながら金閣寺と対面します。
しかし、何の感動も起こりません。
これが尾を引いて紆余曲折しながらラストに向かうまで主人公・溝口は禅問答を繰り返します。
想像していた現実と理想の現実が違うということは誰にしろあるかと思われます。
しかし、この物語の主人公・溝口は最後まで抗い続けた末に「美とは怨敵だ」という結論に至り物語は衝撃的なラストに向かって進んでいきます。
三島由紀夫さんから紡ぎ出される美麗な文章の数々で装飾された金閣寺は本当に美しく主人公の苦悩は計り知れません。
実物よりも文字だけで美しく想像させるのは本当に脱帽せざるをえません。
まとめ
以上が三島由紀夫さんの著書『金閣寺』についての感想・紹介でした。
日本文学といえば必ず名前のあがる『金閣寺』
難しいとかわかりづらいとかの前評判で読むことを諦めてる人はもったいない!
合う合わないはありますが間違いなく三島由紀夫さんの最高傑作でしょう。
金閣寺で挫折した人はこちら
↓↓↓↓↓
この記事を読んで少しでも気になった方は是非、日本文学の傑作
『金閣寺』手にとってみてください。
必ず何かしらあなたの心に訴えかける一文があるはずです。
では、また。
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